揺れる ――僕はもう、人間じゃない。 自分の力で封絶を使った後、僕はこのことを痛感した。 この町の皆とは、ずっと一緒に生きることは出来ない。池とも、佐藤とも、田中とも、吉田さんとも、母さんとも…… この町からシャナと一緒に旅立つ。彼女から言われ、一度はそう決意した。 だけど、やっぱりこの町から――離れたくない。 生まれ育ったこの町で、これからもずっと生きていくんだと思ってた。 けど、あの『 生まれ育ったこの町の、全てを知ることになって。 この町に悔いはある。だけど、前へは進めた。 しかし、それはこの町の中ではという条件付だ。 彼女はずっとこの町に居れない。 決して彼女と居たくないわけじゃない。できれば、側に居たいと思う。 けど、この町が恋しく――いや、この町に未練があって…… この未練をどうにかしないと、僕はこの町から離れられそうにない。 未練とは、二人の彼女たちのこと。 二人の間で揺れる自分の それが、一番の心残りだ。 二人の気持ちに答えられなくて。 僕は、せめてそれだけには決着をつけたかった。 急いても意味はない。遅くてもダメだ。 そんなもどかしい気持ちに僕は揺られて…… ……だけど、僕の 強くて、かっこよくて、凛々しくて、だけど、どこか弱いところを持っている彼女へと―― それが分からないのは、あの優しい少女を悲しませたくないからだろうか? そうだったら、僕は最低な奴だ…… だから今は、皆と一緒に居て、彼女と一緒に話して、彼女の隣で、彼女の笑顔が見れればいい。 それはとても大きな我が侭だと思う。 それは分かってる。 だけど、今はまだ、そうしていたいんだ………… あとがき 灼眼のシャナのパロディです。今回は悠二君の気持ちを描いたつもりです。 巧く表せていたでしょうか? たぶん、訳がわからなくなってるんじゃないでしょうか? 彼女やら彼女やらって……元ネタを知らないと置いてけぼりは確定の内容です。 いや、知ってても置いてけぼりでしょうか?(爆 今度はシャナの気持ちを描くつもりです。巧くいくかなぁ? 感想、批評、語句間違いのメール、是非よろしくお願いします。気軽に送ってやってください。 では、読了いただきありがとうございました。それでは! 2006/05/28 up
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